重篤な退薬症状、死ぬかと思った
母から受け継いだであろう、遺伝性大腸がんが出現するリンチ症候群。
毎年定期健診をしたほうが良いという予防医学のすすめに従って、上・下部内視鏡をした時の出来事です。
これまでも、ほぼ毎年のように胃か大腸のどちらかはしている、自宅マンションに併設されているクリニックで、今年も安心してお願いしました。
一昨年、大学病院で胃の内視鏡をした時は、麻酔をしているにもかかわらず、途中で苦しさのあまり目が覚めて、管を口から引き抜こうとしたのですが、看護婦さんに手首を掴まれ薬を入れられたのか、またその先の記憶がなくなりました。
そんなこともあって、いつものクリニックでいつもの先生がいちばんと、一抹の不安もなく内視鏡に臨みました。
ところが、検査が終わって眠りについているはずが、急に今まで感じたことがない、胸をかきむしるような息苦しさで目が醒めました。
声を出して苦しむ私に驚いた看護士さんが、隣に座って手を握ってくれ、私も苦しさからその手を何倍もの力で握り返していました。
先生も、すぐ駆けつけてくれたのですが、原因がわからないのでただ見守るしかなく様子見状態でした。
苦しさから逃れる為、もしや効くかもと思ってある薬💊を飲み、主人に自分で電話をしてすぐに来てと頼みました。
主人は家にいたので、すぐ飛んで来てくれ、今度は主人に力一杯しがみついて耐えていたら、次第に苦しさが遠退いて行きました。
私が飲んだ薬が効いたのを見て、先生はすぐに原因がわかったようで、
`薬を常用しているのを知っていたら使わなかったのですが´
とのことでした。
先生が、寝ている私を起こす為に使ったのがナロキソン、私が緩和ケアの痛み止めとして常用しているのがナルサス、頓服のナルラピドというオピオイド系麻薬です。
ふだんは血液中に一定濃度で薬があるところ、検査で薬を朝、昼と服用せず夕方になり、ナロキソンでさらに睡眠薬を抜いたために、いわゆる薬の禁断症状のような症状、退薬症状がでたそうです。
頓服で飲んだナルラピドが効いて事なきを得ましたが、やはり麻薬を侮ってはいけませんね。
後から主人いわく、本当に私がに死ぬかと思ったそうです。
後日、緩和ケアの先生に報告したところ、脈拍が上がって呼吸困難になり、お年寄りだと本当に死亡するほどだったとのことです。
緩和ケアの先生も、何も言っておかなくて申し訳なかったとおっしゃるし、クリニックからもその日の夜と翌日にも`苦しい思いをさせて申し訳なかったです´と丁寧にお電話をいただきました。
大騒ぎして申し訳なかったのはこちらのほうで、生まれて初めて人前で大騒ぎしてしまい後から思い出すと、とても恥ずかしかったです。
検査する時の注意事項に表記されていなかったので、私も勝手に確認しなくても大丈夫だろうとたかをくくっていたのがまずかったです。
少しでも気になることや、今までと違う状況になったら、迷わず確認することが必要だと
痛感しました。
そして、やはり緩和ケアとはいえ、麻薬を使っているということの怖さを、身をもって実感しました。