トリプルキャンサーのブログ

多少でもどなたかの参考になればと書き始めました

ゲノム解析

自分ががんであることがわかって 、手術したころにNHKでやっていたがんの特集で、たしか

`がん治療革命の衝撃´というタイトルで`ゲノム検査´で遺伝子異常を特定することで治療薬を見つけるという番組をやっていて、ご覧になられた方もいらっしゃると思います。


従来は臓器ごとのがんに薬を投与していたけれど、実はがんは遺伝子異常で起こるので、ゲノム検査をしてその遺伝子を特定してその人に合った治療薬を選定、治療する、個別化・精密医療(プレシジョンメディシン)をする時代になったという内容でした。


私がトリプルキャンサーであると医師から聞かされ、また卵巣境界悪性腫瘍で抗がん剤が効きにくいと説明されて、結局腹膜播種で打つ手なしとなってしまった時に、以前からこの番組を見て頭の片隅にあった、ゲノム検査をしようと決心しました。


とはいっても調べてみると東京近郊でゲノム検査をしているところは昨年はまだわずかしかなくて、NHKでやっていた北海道大学に行って検査するしかないのかと悩んでいました。

ところがラッキーなことに慶應大学でゲノム解析をおこなうことが新聞に載り、北大の先生が慶應にみえることが何度か問合せをして年が替わったころにわかってきました。


そこですぐ、2018年の1月の生検に間に合うタイミングで遺伝子検査を慶應でしてもらう段取りを取りつけ、腫瘍をゲノム解析していただきました。


今となれば、もう数ヵ月待てばがんゲノム中核拠点病院が全国に出来て費用もとても安くなったのですが、もうお金より命のほうが大切と頑張って大枚を叩いて検査を受けました。

話が少し前後してしまったのですが、いよいよ婦人科の治療をするにあたってセカンドオピニオンとして

①対がん協会で有明顧問のT先生による電話相談のほか、(前述の治験の薦め)

②有明がん研究会本体のT先生にも有効な薬をご享受頂いたり、

③築地国立がんセンターS先生にも(前述の腹膜播種余命宣告)

④慶應大学病院でのゲノム解析

と婦人科の治療に入るまえに色々なアドバイスをいただきました。

セカンドオピニオン1

血液内科の先生の助言もあり、婦人科医が渋々ですがその治療の必要性を認めましたが、私の場合婦人科の病気は卵巣境界悪性腫瘍と子宮体がんがあり、どちらの再発も考えられあるいは卵巣がんの可能性もあるとのこと。


対がん協会の電話相談では有明がん研究会顧問のT先生が対応してくださって、トリプルキャンサーであることを伝えると、


`婦人科の治験をしてもらうように国立がんセンター東病院に主治医の先生から頼んでもらいなさい❗主治医ならば患者の為にそのくらいのことをするのは当然´

と大変熱く患者思いのお言葉。

主治医には伝えましたが、当然そんなことには耳を貸してくれるはずもなく、私も色々調べてみましたがまだ婦人科の治験はまだ、とのことであきらめました。

(治験はダブル、トリプルの患者にはハードルが高く、いくつもの病気を持っていると成果が分かりにくくなる、成績が下がる可能性などから排除されるようです)


そして次の国立がんセンターでは、以前セカンドオピニオンをお願いしたS先生が再度相談にのってくださることになり、ここではじめて腹膜播種が重大な状態であり

`境界悪性という診断であってもお腹じゅうにがんが拡がっているので悪性で遠隔転移しているのと同じです´

と言われました。


ネットである程度調べていたので婦人科の播種だとすると、悪性リンパ腫の場合より深刻であることは知っていたのですが、そこまで深刻に受け止めておらず、ステージ2と思っていたらもう既にステージ4になっているとのことでした。


そこで先生に

´大変ナイーブな質問ですが最後に、あとどのくらいの余命ですか?´

と質問をすると

`余命宣告なんて当てにならない、人によってちがうと言われつつ、あと一年か二年かそれより短いこともある´と。

あとから考えて、すごく答えにくそうにしていたし先生だってそんな質問に答えたくなかったのに申し訳なかったなあと思いました。

でも正直そこまでローソクの火が短くなっていたなんて知らなかった😭

涙がこぼれ出そうなのを主人に見られたくなくて、セカオピが終わると

`トイレに行ってくるね´と言ってトイレで涙を拭って

`これから銀座のレストランでランチしようね❤´

なんて言って誤魔化していたけど、

やっぱり二度目の余命宣告もショックでした💧

卵巣境界悪性腫瘍

腹膜播種という言葉も聞いたこともなかったので、それがどんな深刻な状態であり、`将来´どんな影響を及ぼすのか全く知らず、医師からの説明もありませんでした。

`将来´という言葉は先のことを示しますが、

腹膜播種は一般に`もう将来がない´`打つ手がほとんどない´状態のようです。

CA-125が上昇し続ける原因が婦人科系にあることをやっと医師が一年近く経って認めたのですが、`婦人科系の再発はあり得ない´と言われていたので、私も半信半疑ではあっても悪性リンパ腫の治療の情報集めを優先し、卵巣境界悪性腫瘍についての情報集めはあまりしていませんでした。

その為、今度は有明がん研究会、国立がんセンターに加え慶應大学にも婦人科にセカンドオピニオンをお願いしました。

(前回は悪性リンパ腫だったので境界悪性がメイン)

そんなにたくさんセカンドオピニオンをする必要なんかないじゃない?という意見もあると思います。

なぜそこまでしたかというと、それは

①私が全くの素人で知識がないこと

②トリプルキャンサーというふつうの発症状態ではなかったこと

③境界悪性というただの卵巣がんではなく症例が少なく、標準治療が定まっていないものであったこと

④医師によって診断も治療も異なる可能性があること

⑤余命宣告(手術前に数ヵ月と言われた)され、悔いの残さないよう出来ることはやっておきたいと思ったこと

でした。

主治医からすればそんなにたくさんのセカオピを求められるのは面白くなかったと思いますが、ここまで来るともう誰かに遠慮なんてするのはよそうと思っていました。

ある女医さんががんになった時に、セカンドオピニオンを6だか8人に依頼したとのこと聞いたことがあります。

自らがプロであっても他に意見を求めるのは、人によって知識や情報、技量に差があり診断、治療も異なってくることを医師のほうが知っているからなのかもしれません。

ということで卵巣境界悪性についてのセカオピについて書きたいのですが、長くなりましたのでまた✋